お前は、殺しても死なない感じもするな
村上龍氏の訃報を聞いてしばらく経つ。10月22日の夜だった。「え」ってなったし、「74才は早すぎるよ…」とも思ったが、何故か悲しいという感情はなかった。
自分がまっさきに思い浮かべたのは、この記事のタイトルの言葉だった。小説「69」に登場するセリフである。
それから次に思い浮かべたのは、「エクスタシー」のラストシーンで描かれた壮絶なビジョンだ。
龍氏は、その時、どのようなビジョンを観たのだろうか。
そして自分はその時、一体どんなビジョンを観るのだろうか?
「ヤザキ、お前は、どうしようもない奴だ、お前は、どんな社会生活だろうが、耐えられんだろう、どうやって生きていくのか、ボクにはわからんよ」
そんなことを言ってから、こう付け加えた。
「だが、お前は、殺しても死なない感じもするな」
「69」より
自分は本当に、龍氏は殺しても死なないだろうと思っている。
龍氏は、宇宙から地球に贈られたギフトなのだ。宇宙から降りてきて、また帰っていった。戻るべき場所に戻った。
それにしても、最高に素晴らしいギフトだったよ。